2013年05月14日

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案


 単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁  

日曜日、竹小舞の体験会を開催、子供3名を含む15名が参加。

午前中、段取り悪さもあり、竹の採寸と小舞掻きの説明で終了してしまった。

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

 午後は3人で、一組1間×1間半の壁の竹小舞掻に挑戦、1壁は完成、3壁は残念ながら完成には至らなかったが、作業は終了した。

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

 マー 楽しく出来たから、作業の進捗は二の次。




複雑な技術 

 小舞は当然だが土壁の下地、小舞掻きは単純な作業の繰り返し、竹(笹竹と割竹)藁縄で編んで行くだけだが、根気強さが仕上がりの質を決める、壁自体はローテクな工法だ。
 
 現代のモノずくりは、複雑化した技術の組み合わせで構成されていて、ブラックボックスな世界だ。

 僕も持っているiPhoneなどスマートフォンは、複雑で挑ハイテクな技術の産物、でも壊れたら修理できるのだろうか、もちろん僕にはできないが、メーカーの技術者ならできるのだろうか?、だってネジが見あたらない。


 住宅はどうだろうか。 

日本にはハウスメーカーなる世にも珍しい企業がある、彼らのつくる住宅は、彼らの独自の技術で造られる、言えば、技術がクローズドされた世界の産物だ。

 ITほどハイテクな技術でないにしろ、竹小舞の世界よりは遙かにハイテクだ。

 よって、メンテナンスは不自由、竹小舞+土壁に変わる外壁材などの建材は産業廃棄物として廃棄されてしまい、環境に負担をかける。

 熱力学第二の法則に従えば、どんなモノでも、完成した先から壊れていく、秩序あるモノは、その秩序が壊れていく方向に作用する、複雑でも単純でも、ハイテクの産物でもローテクの産物でも同じだ。

 複雑・ハイテク系は、壊れたら直しにくい、修理しにくい、福島の原発事故は、我々にまざまざとそのことを知らしめた。

 単純・ローテク系はどうだろう、単純でローテクであるがゆえに、直しやすい、修理し易い、しかも近所の大工や左官でできるのだ。

 案外、近い将来にはこの単純・ローテクだが、左官の仕上げのように、深遠で幽玄なモノづくりの主流になりかもしれない。 



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