2023年07月08日

過剰繋がり 若冲とスーラ

過剰 若冲とスーラ          2023 7/8

ヨシコ
“ユーモラスだけど不思議な色感、新鮮な驚きを抱くわね!”
クニオ
“僕の印象は過剰さかな……過剰な丹念さ!”

過剰繋がり 若冲とスーラ
過剰繋がり 若冲とスーラ

ここは掛川市二の丸美術館。
開催中の「若冲の魅力-花と鳥展の展示作品から」、伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風(高精細複製図:静岡県立美術館蔵)」(*1)を前にしたギャラリートークの一幕。

 「樹花鳥獣図屏風」は動物と鳥が「枡目描き」という画法で描かれていて、ちょっと奇想天外な絵ではあるけれど、ヨシコさんの感想のように新鮮な驚きを抱く。
枡目描きは、1㎝四方の枡目(枡目の数は116、0000個)、一つ一つに彩色する、それも一色でなくて重ね塗りをする描き方。


この時、クニオは、脳裏にジョルジュ・スーラ(*2)を思い浮かべていた、新印象派の画家で点描画法をつくり上げた、あのスーラだ。
過剰繋がり 若冲とスーラ

クニオ
“樹花鳥獣図屏風を観た時、スーラの「グランド・ジョット島の日曜日の午後」が脳裏をかすめたよ”
ヨシコ
“アラー 洋画も興味があったんだ?”
クニオ
“あまり知識はないけど、細かな色の点を画面に配置する点描画法と似てるなと思ったわけさ”
ヨシコ
“そうね 色を置いて描くという点では似ているかもね、どちらもきっと気の通くなるような作業の積み重ねが必要ね”
クニオ
“そうだね、どちらも色の配分、幾何学的な構図に合理的なアプローチを感じるね”
ヨシコ
“でも出来上がった絵の印象は随分と違うんじゃない”
クニオ
“確かに「樹花鳥獣図屏風」は奇想天外(*3)にして少々幻想的にして過剰な表現、方や「グランド・ジョット島の日曜日の午後」は時の流れが止まったような過剰な静けさの中にある世界だよね”
ヨシコ
“ほんとね 若冲の描く鳥や花は異次元の世界から降り立ったような過剰な気配を漂わせているわね”
クニオ
“過剰な静けさと、過剰な気配 …… って”
ヨシコ
“「過剰」つながりね”

クニオ
“ちょっと強引  (灬ºωº灬)♡ ”

ところで若冲と蕪村、応挙、大雅、芦雪がご近所さんだことを知りびっくり、街中で会えば“おきばりやす”とか“おおきに”とか言っていたのだろうか?
過剰繋がり 若冲とスーラ

注)樹花鳥獣図屏風は二の丸美術館の許可を得て撮影
 
(*1)この作品と大変よく似た絵に「鳥獣花木図屏風」(出光美術館)がある。
(*2)ジョルジュ・スーラ(1859-1891)
フランスの画家で新印象派の創設者、光学理論に導かれて科学者のような研究を重ね、細かの色点を画面に配分する点描画法をつくり上げた。
「グランド・ジョット島の日曜日の午後」・「ア二エールの水浴」がある
(*3)
「奇想天外より来る」天から舞い降りたような奇抜な発想のこと 
出典:ミヤコに奇想横溢(おういつ)18世紀京都画壇:辻惟雄
  日本美術全集14 江戸時代Ⅲ 小学館

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