2013年07月31日

確かにヒヤッとする土壁   

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案


確かにヒヤッとする土壁   


確かにヒヤッとする。
日曜日は、時ノ寿工房の土壁塗りで忙しく一日が終わる。


 真夏での作業はきついが、作業室内はなるほど涼しく感じる、ヒヤッとして、真夏の朝を忘れさせてくれた。
 作業している20名近くの人が”涼しい”と言うのだから僕だけの体感でない、確かに土壁は体の熱を奪ってくれる。
 これは、土壁の蓄冷効果によるもので、氷魂近づくと感じる体感と同じだ。






 言葉ではどうも伝えにくいので、温湿度測定をしてみた、下表がその結果だ。
 午後2:30頃、外気は34度(日陰31.5度)、湿度65%まで達したが、工房内は27.4度、湿度88%、室内土壁表面温度28.4度と過ごしやすい。
 
 湿度は、作業中、土壁はたっぷりと水分を含んでいるので高くなってしまうが、一年もすれば平衡状態になる、湿度が下がれば体感ではもっと涼しく感じるはず、冷輻射環境の快適さを実感できるだろう。






 そして何よりも空気を冷やすエアコンと違い、輻射熱(夏は冷輻射)の影響が大なので、体が冷えないところがすばらしい。
 エアコンで室内を27度に保つためには、エアコンの設定温度を24度前後まで下げないといけない、そうなると床と天井付近での上下の温度差は5~6度となりそうそうだ。
上下温度の差が大きいと、不快感を催すことは誰でも経験だろう、その点からも
輻射を主体とする温熱環境の快適さ伝わってくるだろう。



 土壁の魅力はまだあるが、次回に。
  

2013年07月23日

土と出会うワークショップ    

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案

土と出会うワークショップ    

NPO法人時ノ寿の森クラブ主催の『まちと山村の交流ツアー』第2弾、土と出会うワークショップ(土壁塗り体験会)を時ノ寿の森の工房にて開催します。

みんなでつくる土の建築、理屈抜きで面白い、参加しませんか。
どなたでもOK。

■日時
7月27(土)28(日)AM9:00~PM4:00
服装持ち物:汚れてもいい服装(着替えも)、運動靴、軍手、タオル、お弁当

■主催NPO法人 時ノ寿の森クラブ 
436-0051 掛川市中宿113
0537-23-0412
E-mail tokinosunomori@yahoo.co.jp
HTTP://outdoor.geocities.jp/tokinosunomri

■土と出会うワークショップ連絡先掛川の風景を創る・時ノ寿木組の家
清水建築工房一級建築士事務所
0537-27-0537  携帯090-3301-6145
E-mail info@shimizu-arc.jp
HTTP://www.shimiz-arc.jp

 7月21日のワークショップ。

 藁スサ

土をこねる


土を差し出す、受け手との呼吸が大事。

土を掛ける

土を掛ける

土を受けとる

姿勢に真剣さが現れる。

ひたすら掛ける。


アイコンタクト、ダイナミックな受けわたし。

何事も後を濁さず




小舞部分と土を掛けた壁のコントラスト。





  

2013年05月14日

単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案


 単純な技術の組み合わせ・竹小舞+土壁  

日曜日、竹小舞の体験会を開催、子供3名を含む15名が参加。

午前中、段取り悪さもあり、竹の採寸と小舞掻きの説明で終了してしまった。





 午後は3人で、一組1間×1間半の壁の竹小舞掻に挑戦、1壁は完成、3壁は残念ながら完成には至らなかったが、作業は終了した。









 マー 楽しく出来たから、作業の進捗は二の次。




複雑な技術 

 小舞は当然だが土壁の下地、小舞掻きは単純な作業の繰り返し、竹(笹竹と割竹)藁縄で編んで行くだけだが、根気強さが仕上がりの質を決める、壁自体はローテクな工法だ。
 
 現代のモノずくりは、複雑化した技術の組み合わせで構成されていて、ブラックボックスな世界だ。

 僕も持っているiPhoneなどスマートフォンは、複雑で挑ハイテクな技術の産物、でも壊れたら修理できるのだろうか、もちろん僕にはできないが、メーカーの技術者ならできるのだろうか?、だってネジが見あたらない。


 住宅はどうだろうか。 

日本にはハウスメーカーなる世にも珍しい企業がある、彼らのつくる住宅は、彼らの独自の技術で造られる、言えば、技術がクローズドされた世界の産物だ。

 ITほどハイテクな技術でないにしろ、竹小舞の世界よりは遙かにハイテクだ。

 よって、メンテナンスは不自由、竹小舞+土壁に変わる外壁材などの建材は産業廃棄物として廃棄されてしまい、環境に負担をかける。

 熱力学第二の法則に従えば、どんなモノでも、完成した先から壊れていく、秩序あるモノは、その秩序が壊れていく方向に作用する、複雑でも単純でも、ハイテクの産物でもローテクの産物でも同じだ。

 複雑・ハイテク系は、壊れたら直しにくい、修理しにくい、福島の原発事故は、我々にまざまざとそのことを知らしめた。

 単純・ローテク系はどうだろう、単純でローテクであるがゆえに、直しやすい、修理し易い、しかも近所の大工や左官でできるのだ。

 案外、近い将来にはこの単純・ローテクだが、左官の仕上げのように、深遠で幽玄なモノづくりの主流になりかもしれない。 

  

2013年05月05日

掛川の風景をつくる連続講座その2

掛川の風景をつくる連続講座その2 

さて、ゴールデンウイークあけの12日・19日は、掛川の風景をつくる連続講座その2:竹小舞掻きの体験講座です。

 体験内容は、竹小舞と呼ばれる、土壁下地をつくる作業です、以下は作業手順です。

1:間渡し竹と呼ばれる力竹を差し込む穴あを開ける。  
柱への穴あけはすでに終了、土台と梁・桁の穴あけは11日の土曜日に終了させる予定です。

2:ここからが小舞掻き作業です。
 まず、縦間渡し竹を梁桁と土台の穴に差し込みます、間渡し竹は、梁・桁と土台間の長さより10mmほど長いので、土台の穴には浮かせて固定します、これは荒壁を付ける際の施工と地震時の構造的な意味の両方の理由からです。
 縦間渡し竹は貫にステンレス釘で固定します。


3:次に横間渡し竹を柱の穴に差し込みます
間渡し竹は柱間の長さより20mmほど長いので、3尺間は柱を傷つけないように注意が必要です。

4:縦割竹をセットします。


5: 横割竹を縦間渡し、縦間渡しに縄(今回は麻縄)で編んでゆきます。
この時縦割竹が土台の接触しないように持ち上げながら編み込みます。



 
6全て編み込んで小舞掻けが終了、竹小舞壁完成。 


 小舞掻けの作業は、二人一組で行います、もちろん一人でもかまいません。
 少し単調な作業だけに二人の方が気が紛れていいかもね。

日時
 5月12日・19日の日曜日
 Am9:00~PM3:00頃まで。
 昼食は持参してください。
 事前申し込み Email info@shimizu-arc.jp  
        電話 0537-27-0576
 当日連絡先  090-3301-6145 清水
  

2013年04月21日

竹小舞掻きの準備


NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案



竹小舞掻きの準備  

 昨日は、来月から始まる時ノ寿工房の竹小舞掻けの準備、間渡し竹欠き込みのためのマーキングを行った。

 マーキングは、貫の上下の柱への欠きこみ用と、土台と横架材(梁、桁)に竪に渡す間渡し用の2種類。

 柱は事前に治具をつくって行ったので、スムーズに作業は進み、予定通り1時間ほどで終了、さらに、土台も下向き作業でストレスなく終了。

 
妻梁のマーキング作業


柱のマーキング作業


柱マーキング

 昼飯を挟んで午後の作業は、いつも課題の梁、桁へのマーキング、特に柱間1間の壁では、治具用の木材を調達できず、曲尺とスケールでの作業や上向き作業と言うこともあり、予定を1時間オーバー。( ̄▽ ̄;)!!ガーン
 
 で残念なことに、当初予定していた竪貫の施工できず、本日作業終了。


 間渡し竹


 後残す事前準備作業は、電ドルを使った柱、梁、桁の欠き込み、竪貫の施工(3箇所)、割竹のカット、荒縄の調達などで、5月連休の前半で行う、興味ある方はどうぞ参加してください、大歓迎です。よろしくぅ(^o^)/



  

2013年02月18日

時ノ寿の森集会場建前…面白き出来事

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案



時ノ寿の森集会場建前…面白き出来事  


 NPO法人時ノ寿工房の建前は、大工+チーム時ノ寿に協働作業となった。

 元来日本の家づくりは、プロ集団である大工が躯体・木造軸組部や小屋組までをつくり、屋根(茅葺きなど)は結いと呼ばれる村人の協働作業でつくり、壁は左官職人の指導の元に、家人や親戚が作業に参加した。













 本当に楽しそう!、子供のころの隠れ家を造る時のように、目は輝いていた。ヽ( ´¬`)ノ ワ~イ !!
 最初はまごついっていたが、符丁がわかればなんてことなし、作業の順番もプロの指示に従えば滞ることはない、僕もノミをふるわせていただいた、刃こぼれもなく一安心。












割クサビを入れた地獄ほぞ…地獄に落ちたらでられないように、一度はめ込まれたら決して抜けない仕口、外から見えないために家具職人ごよく使う、例えばテーブルに脚を取り付ける時など。 


 頭や手足を使う作業って本当に楽しいもんだってっことを再確認した、有意義に二日間だった。
 完成後はビジターセンターとして時ノ寿の森を知っていただくための、お客様をお迎えし、伝統的な木組のPR館としての役割を担う予定だ。
 
 最後は餅を撒いて、棟上げをみんなでお祝い。(*゚▽゚)/゚・:*【祝】*:・゚\(゚▽゚*)

  

2013年01月16日

時ノ寿工房あくまでも伝統的構法にこだわって  

時ノ寿工房あくまでも伝統的構法にこだわって  

時ノ寿工房は、架構や仕口・継ぎ手をあくまでも伝統的構法にこだわってつくる。

 足下はフラットベッドの基礎に、外周部は敷土台と足固め、内部の間仕切は足固めで固める。


 フレームは折り置で組んだ門型架構を日本の中引き(牛梁)が井桁に組んで堅牢な骨組みをつくる。


 足下から敷き土台、足固め、貫、差鴨居、梁(桁)と横架材を多段階に挿入して粘り強い架構をつくる。



 小屋組は登梁、棟を天秤梁で受ける二重梁構造(小屋組の水平剛性を高め、屋根下荷重を分散する効果がある)で安定した架構をつくる。




ということで、 上棟は当初から伸びて2月17日(日曜日)となった。

 上棟は餅も撒きます……ヨロティク(=゚ω゚)ノ 来てね。
  

2012年12月26日

刻み進む…時ノ寿工房

刻み進む…時ノ寿の森集会場   

時ノ寿工房も来春の1月27日の建前に向け大工下小屋で刻みが進んでいる。
 今回の工房は構法上、いくつかの工夫をしている、それは近い将来可能になるだろう伝統的な構法の石場建ての見据えての工夫だ。





基礎は立ち上がりのないフラットベッド、外周部は敷き土台(土壁の止めを兼る)を廻したが、内部は足固め方式で土台なし、開口部鴨居は差し鴨居方式、柱と梁の仕口は折置き
、小屋は時ノ寿木組の家のstandardで登梁、全体を貫く牛梁(中引き)は320径の瓜皮で繋ぐ。
 足固めや差し鴨居、貫などの水平合成部材を多段階に挿入して、回転合成を高め、立体架構としての抵抗能力を高めることをもくろんだ。



 急ピッチで刻みが進む、来春の建前は春待つ1月27日(日曜日)みんな来てね\(○^ω^○)/  
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Posted by pasarela at 19:19Comments(0)時ノ寿の森集会場

2012年11月23日

太鼓と瓜皮と…時ノ寿工房用材

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案。



 太鼓と瓜皮と…時ノ寿の森集会場用材  

  
 時ノ寿工房の建前(来年1月20日)に向け、用材が下小屋に搬入された、今回は第一便で、時ノ寿の森から出材した桧の土台4.5寸角と太鼓梁の5m~6mの長材、時ノ寿工房のハイライトとなる中引き(牛梁)の瓜皮末口320~340の長材。


運びこまれた材


時ノ寿材の桧の土台(4.5寸角)




末口200~240の太鼓の杉材



末口320~340の瓜皮に剥いた杉材


 計画段階で調達しておけば5m~6m材は苦労しなくても手に入る、木造場合梁の継ぎ手が力の伝達以上弱点になる(一方意匠的には見せ場にもなるが)ので、できるだけ継ぎ手なしで建てたい。

 時ノ寿木組みの家のスタンダードは梁間方向(奥行き)4間で、一間は下屋なので、実質3間となる、3間(1・2階とも)だと6m材で渡せるので、架構が構造的にも経済的にも有利になる。

 末口320~340の瓜皮は一見の価値がある、下小屋は道路から見渡せるオープンな場所にあるので、大工の粂田さんに一声掛けて見てください。ルンルン((´I `*))♪


 …「場所がわからないじゃないか!」と言われそうですが。(怒`・ω・´)ムキッ
  

Posted by pasarela at 12:30Comments(0)時ノ寿の森集会場