2020年07月25日

「女房と畳は……」の誤解を解く 


「女房と畳は……」の誤解を解く  

「女房と畳は……」
 宴席などで、女房も畳も…と酒の勢いをかりて、世の女性の眉をひそませる輩がいまだにいるが、この格言の意味をまるっきりはき違えていると思われるので、ここでただしておきたい。

 「女房と畳は……」とは、暮らしの中で常に接する畳を大切に扱う、同じように陰で支えてくれる女房の労をねぎらう、そうすることで、いつも互いに新鮮な感じを持つことができる、という訓戒の意味を持つ言葉です。
 今は、妻が夫を陰で支える時代ではないことも確かですが。

 畳に話を戻すと、畳はいつも足に踏みつけられ、お尻に敷かれている、無造作に扱えば痛みやすい、痛めば居心地が悪くなる。
 でも、毎日のほうき掛けとからぶきで艶をだし、時には直射日光が当たらないように陽を遮り、畳表がすり切れれば裏返しにして使う,年に1回畳を取り出して積もった誇りを払う、この年末の大掃除の主役は何といっても畳だった。
 そういういたわりの気持ちが、畳に永い命を与えてきた、夫婦の関係も全く同じ、味わいのある格言だと思う。




 リモートワークで在宅時間が増え、一緒にいる時間が増えた時、どちらかがどちらかを尻に敷いたりマウントするんはでなく……。
 畳の格言に従えば……互いに互いをいたわり、磨く言動で互いの艶を出し合い、ストレスを抱えたら心からねぎらい、互いの関係の”うつろう景色”を四季のようにを風情と楽しむ。

 もちろんモノを「いたわる」感覚は畳が唯一無二でわありませんが、疲れたら座る、ごろんと大の字で寝転び天井を眺め、心身のスピリットとエネルギーを整える。

 一方、畳の間の視線の低さは肌理(きめ)の細やかな情感の交流をもたらし、ウイズコロナの暮らしを確実に豊かに変えていくことでしょう。

  

2020年07月07日

土への回帰

土への回帰

 かつては建築材料の最もポピュラーな材料だった「土への回帰」を叫んでみたい。

 土は世界で最も手軽に手に入る建設材料、その工法は気候風土や文化的背景により多種多様で、世界の建造物の中で土の建築は3割程度を占めるといわれています。
 焼けば土器や煉瓦となるし、天日にさらせば日干し煉瓦となり、現在でも広く世界各地で建材として活用されています。
 さらに土は、自然素材で役割を終えても環境に負荷を与えません、まさに土に還るのです。
 日本では、その土を建築材料として利用したときから左官が始まりました。

土の質感と魅力がモロに体感できる版築


紅葉をあしらった色土の壁と日干し煉瓦の炉壁

 吉田兼好が「住まいは夏を旨とすべし」と述べたように、一時期、土壁は衰退し木と茅の家が主流となります。
 しかし、戦国の戦乱と薪から炭へと燃料の変化が、土を再び世に送り出しました、防火性と蓄熱性能に優れた土壁が見直されたのです。
 さらに茶の湯の「市中の山居」という現実から隔絶された別世界では、かつての土室がお手本となり、土壁の草案茶室が完成し、その後の民家建築のスタンダードとなりました。

 僕たちが土に対峙したとき、意識に深く訴える力、エネルギーを感じる事があります、その心地よいリズムは、戦乱の世の武将たちに、ひと時の心の安寧をもたらしたのかもしれません。

 土の表現は多様にして無限です、そんな土の魅了を通じて、住まいに「土への回帰」を叫びたい。
 新築したM事務所では「土への回帰」が重要なテーマでした、是非その魅力を感じ取っていただけれがと思います。  

2020年07月01日

「手仕事の家] 内覧会

 本物の「手仕事の家」の暮らしは、いつもの景色を少しかえる。

私たちが大切にしているもの、手仕事の美とフェアな精神です。

 少し変わる日常の景を体感していただければ幸いです。




■日時 2020年7月1日(水)〜7月5日(日)
   13:00〜16:00 (水〜日)  
■場所 御前崎市池新田

■構造 木造平屋建て

■問い合わせ 
清水建築工房一級建築士事務所 tel    0537-27-0576
e-mail info@shimizu-arc.jp
mobile  phone 090-6070-1091


新型ウイルス感染拡大防止のため、完全予約制で、1時間に1組限定でご案内をしています。
参加していただける皆さまにはマスク着用 、 会場に用意してある消毒液使用のご協力をお願い致します。
見学ご希望の方は清水建築工房一級建築士事務・清水まで、メールやお電話でご予約ください。所在地の地図をお送りいたします。