2022年11月04日

「気候風土型」という住まい その九 大きな窓 多層窓の構成 

「気候風土型」という住まい その九
大きな窓 多層窓の構成  11/4
「気候風土型」という住まい その九 大きな窓 多層窓の構成 


朗読するクニオ
……家の作りやうは、夏をむねとすべし、冬はいかなる所にも住まる…………遣戸は蔀の間より明るし……

ヨシコ
“あらー 誰もがそこしか知らない、誰もがそこだけ知っている  「徒然草」の一節だわね!……”
ヨシコ
“よく思うんだけど、これってもはや古文イントロクイズって感覚じゃない? 例えば「祇園精舎の鐘…」や「女もすなる日記…」など”
クニオ
“などなどと言われても ……” 

ヨシコ
“じゃー古文イントロクイズいくわよ 「行春や鳥啼き魚の目は」ってのは?”
クニオ
“あのね そういう事じゃなくて、……遣戸は蔀の間より明るし…… に注目してほしいのよ”

……今日の話題は大きな窓・多層窓の構成。
だからプロローグで、すでに引き戸が鎌倉時代には普及していたことをアピールしたのだが、ヨシコのガブリ寄りにどうも調子が狂うクニオ。

ヨシコ
“はい注目! …… 遣戸って、確か板戸の引き違い戸でしたっけ?  いつ頃登場したのかな”
クニオ
“そ そうですね、鎌倉時代かな……”
ヨシコ
“それじゃー 私が愛用している明かり障子の始まりはいつ頃?”
クニオ
“ええーと   (-_-;ウーン   
 えーと、室町時代かな、半紙張りの障子の初見は、銀閣寺の東求堂と言われていますね、それも板戸から改良を重ねながらではなくて、突然ってことらしいんだ“
ヨシコ
“ へ― 突然ね!  東求堂って茶室の原型といわれているアレね”
クニオ
“はいそうです、で、それまでの建物の開口部の装置は、蔀戸(上下に回転する)か開き戸でした、だけど、どちらも開けるか閉めるか、だから、茶を楽しむには具合が悪い”
ヨシコ
“確かに半開きって始末が悪いわね! …… ということは茶を楽しむために茶人が開発したのかしら?”

……そこはわかりませんが、障子から漏れる薄明りに浮かぶ茶道具のシルエット 確かに、陰影礼賛の美意識を際立てる装置と言える。

クニオ
“そこに登場した遣戸や障子などの引き戸は、戸締りは不完全だけど、開閉の調整が自在で楽にできる、ってことは光や風の微調整ができるから、広く受け入れられたと思うよ”
ヨシコ“
“明かり障子の登場は一大革命だったわね!”
クニオ
“蒸し暑い日本の住まいにとっては必須のアイテムと云えませんか?”
ヨシコ
“確かに、引き戸・障子は、気候風土に適応しながら続いてきた伝統的な住まいのアイテムですね!”

……ヨシコのガブリ寄りも、土俵際で何とか寄り切られずに予定調和で終わりました、めでたし、めでたし。

「気候風土型」という住まい その九 大きな窓 多層窓の構成 
「気候風土型」という住まい その九 大きな窓 多層窓の構成 



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