2013年03月12日

冬季の温熱調査の分析結果:考察その3

冬季の温熱調査の分析結果:考察その3「時ノ寿木組の家」

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案


冬季の温熱調査の分析結果:考察その3  


 今回は、Q値がとμ値がほぼ同じの住まいについての考察。


住まいの概要は以下の通りで、Q値もμ値もほぼ同じ、違いは土壁か否かと階数と気積。

冬季の温熱調査の分析結果:考察その3

 
 関心は、第一に、土壁の建物と土壁でない建物の違いはあったのか、あったとすればどんな数値で実測されのか。
 第二に、自立循環型住宅の設計ガイドラインで示されていた断熱水準(Q値)と自然室温との関係や、暖房室と非暖房湿の温度差の関係が、相関関係にあるのかを探ることにある。

 図は、I邸(土壁の家)とS邸の家の温湿度の実測グラフ。

冬季の温熱調査の分析結果:考察その3
I邸

冬季の温熱調査の分析結果:考察その3
S邸

I邸は1月26日~27日の土日、S邸は2月9日~10日の土日の、在宅と非在宅の二日間の実測dateで、暖房器具により室温の現れ方の違も、もろに読みとれて、常に興味深い結果となった。
 
 在宅時の暖房室の室温の変化は特に顕著で、S邸(温風ヒーター)では、ヒーターON・OFFによる室温変化は急勾配で、室温の変化が激しいのに比べ、I邸(薪ストーブ)の場合の室温の変化は非常にゆったりで、暖まりにくくさめにくい実体がよくわかる。
 
 暖房室の温度差で見ると 共に平均室温はほぼ同じなのに、S邸の方が大きくなる、これは、暖房器具の影響か、土壁の特性によるものか、即断できないが、土壁で薪ストーブという輻射環境下では、室温は高からず低からずで体感的には、快適で、だから温度差も小さくなるのだろう。
 
 では、土壁の建物と土壁でない建物の違いはあったのか、あったとすればどんな数値で実測されのか。
 
 データから違いはあったと読みとれる。
 例えば、I邸の二日目(27日)のAM9:00から薪ストーブに火を入れるPM:3:00までの室温変化を見ると、日射取得により14℃~15℃まで上昇してはいるが、住まい手は、不快指数は肌寒いを示しているにもかかわらず、ダイレクトゲインによる日射取得でだけで快適に感じていたと考えられる、もちろん土壁や三和土の土の輻射熱も+に作用していることは明らかだ。
 同じ時間帯S邸ではヒーターで暖を取っていることがわかる、外気はI邸の時より高いのにである、この時不快指数は何も感じない付近をうろうろしている、空気を暖めるヒーターでは、室温を高く設定しないと寒く感じるのだろう、

 在宅時の室温の違いが、15℃前後のわずか2~3℃(実生活では意外に大きい)の違いではあるが、違いはあったと思う。

 次回は、自立循環型住宅の設計ガイドラインで示されていた断熱水準(Q値)と自然室温との関係や、暖房室と非暖房湿の温度差の関係について。


同じカテゴリー(健康・清涼な空気に包まれて)の記事
18時間後16.5℃
18時間後16.5℃(2016-12-02 21:28)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
冬季の温熱調査の分析結果:考察その3
    コメント(0)