2015年11月30日

低気密高蓄熱その4…ジエウ"ンズの逆説

低気密高蓄熱その4…ジエウ"ンズの逆説  

 平成25年度省エネ基準では、これまでの住宅の断熱化一辺倒を反省し、断熱基準と共に、一次エネルギー消費量の削減も対象としている。

 エアコンや給湯器の高効率化、省エネ化はぐんぐんと進んだ、これで消費エネルギーが削減されたかというと、全く逆の結果となっている。
 家庭部門おけるエネルギー消費の推移を見ると1973年に比べ、2012年時点で約1.2倍、世帯当たりでは2.12倍になっている。

低気密高蓄熱その4…ジエウンズの逆説
低気密高蓄熱その4…ジエウンズの逆説

 この状況が、外皮の断熱化と共に一次エネルギー消費量をも考慮し始めた要因だ。

 ところで省エネルギーという言葉は実に曖昧で多様に使われる、松井賢一(龍谷大学名誉教授)によれば、省エネルギーという言葉には、5つの側面含んでいるという。
 第一のエネルギーの変換効率を高めること、第二にエネルギー技術効率を高めること、第三位にある物を生産するに必要なエネルギー投入量を小さくすること、第四にGDP単位当たりのエネルギー消費量を削減すること、第五に使用するエネルギーそのものを少なくすることの5つだ。
 
 そのうち家庭部門に関連する側面は第二と第五となる、そして日本はこれまで、エアコンや給湯器のエネルギー技術効率を高めることに精力を注入してきた。

 実際、省エネ白書(資源エネルギー庁2014年度版)によれば、2001年当時のエアコンの消費電力量に比べ、2012年には、30%も消費電力量も削減出来るほどの効率をアップさせた(1973年当時の比べれば、かなりの効率アップがなされただろうことは推測できる)。
低気密高蓄熱その4…ジエウンズの逆説

 にも関わらず、1973年→2012年の比較で、冷暖房の消費エネルギーは9.943×10の6乗J→9.683×106乗Jと増加している。
 エアコンのエネルギー効率が向上する中で、家庭のエネルギーは増加してきているわけだ。

 19世紀半ば、イギリスの経済学者ジエウ"ンズは「エネルギーの利用効率の向上と需要の減少を同じだとみることは誤った考え方であり、その逆が正しい考え方であり、エンジンの効率向上は石炭の消費量を増加あさせる。」と経済学の原則に基づく主張をした。
 この説を”ジエウ"ンズの逆説”と言い、今も、石炭を石油に置き換えて、十分に通用する説だろう。 

 私たち”掛川の風景を創る会”では、2020年の省エネ義務化を見据えた高断熱高気密型住宅に対する見解は、前回のエアコンに対する人体の生理的反応が抱える課題や、地球の気候変動に対する対策(もう待ったなし)として、これまでのような成長型の暮から、資源循環型の暮らしに移るべきだろう考える時、最終的には温熱環境の調整をエアコンに頼らざるを得ない点を考えると、高断熱高気密型住宅は選択できないと考えている。 

 次回から、低気密高蓄熱の核心に迫りたい。……土の話から。



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