2020年02月29日

羽目板のメンテナンス

羽目板のメンテナンス 

「バルコニーの外壁の板が部分的に外れているけど!」と電話、電話の相手は2009年に竣工のH邸のHさん。

 早速、バルコニーを見に伺った、くだんのバルコニーの外壁は杉の羽目板、その羽目板が外れたようだ。


 羽目板の接続は一般的に本実(ほんざね)、相欠き、突きつけの上目板張りなどがありますが、H邸は本実にて接続。
 本実は板の側面につけられた凸を凹に差し込んでつなぎます、その凸部分が、板のやせと収縮で凹部分から外れてしまった。




 修復は、この外れてしまった羽目板と2枚(痛みの具合ではさらに枚数増える可能性はありますが)だけ取り換える方法と、バルコニー全面すべて取り換える方法になります。

 2枚だけの場合、取り換えた羽目板がやけに目立ち、風合いが不自然になること(塗装でなじませることは可能)、2年もたてば、取り換えた羽目板も、他の羽目板になじんでしまうでしょうが、それまで気にしないか。
 あるいは、修復する2枚を含め、他もランダムに羽目板を取り換えて、テクスチャーの違いをデザインしたと見せるか。

 いずれにしても、木は時々メンテすることが必要です、これを、だから木は嫌だ、欠点だと捉えないで、時々メンテするから建物が長命になるんだ、資産価値を上げるんだと捉えることが大切、この感覚がないと、木は使えないかも。
  

2020年02月22日

エアコンありませんⅣ

エアコンありませんⅣ  

10年前に設計させていただいた静岡市のKさんは、設計にあたり”土間と縁側が欲しい。古い建具を使いたい…”等々の希望でした。
 
  ”古い建具を探しに、古材建の専門店まで何度となく足を運びましたが、僕もその魅力にはまり、それ以来、古建具を機会あるごとに蒐集してストックまでをするまでになった。
*古建具、最近掘り出し物が少なく苦労しています、古建具の情報あれば是非連絡ください。


 この下の画像は、無双窓(内側と外側に同じ形の連子(れんじ)の引戸を入れ、動かすことで一定間隔の隙間ができたり、閉まったりする窓、連子を開け閉めすることで、採光、通風、のぞき見ができる)という小窓をもつ板戸、さすがに少々値が張ったけど、古民家の雰囲気が出ている。



 この郵便受けは、雨だろうと強風の日だろうと、室内で受け取れるので、すごく重宝だそうです、少し手直しをしたようですが。



 2階ホールの一角にある洗面、目の前が窓で、”四季折々の光景を歯磨きしながら楽しめる”ておっしゃってました、デメリットとしては、鏡が側面に取り付くので少々不便とのこと、でも全面の窓は、そのデメリットを補ってあまりあ存在だそうです。


  

2020年02月21日

エアコンありませんⅢ

エアコンありませんⅢ  


そういえば、ある住宅のリフォームで、浴室の充実として、リラックスできる浴室を希望されたので、桧の浴槽、内装は木で仕上げようかと提案したところ、メンテが大変だからと言われ、結局、大理石となった。
桧浴槽と桧などの木の壁の浴室は魅力的だけど、”手入れがね!”という方が多いのも事実。


 こちら,エアコンありませんの住まいも、住まい手のKさんの知り合いが長野県にいて、*)サワラ材を送ってくれたので、浴室は急遽サワラ材で仕上げるコトとなった経緯がある。
 浴槽はFRPのハーフユニット、もちろん桧の浴槽がベストだったが、日々の手入れがネックとなったと記憶している。



上2枚とも竣工当時の浴室

竣工当時の脱衣室



 浴室を拝見させていただいた、手入れが行き届いていて、すごく綺麗な状態だった、カビなどの発生を防ぐにはそれなりに苦労もあるようだったが、それも暮らしの一部になっていて、歯を磨くような習慣付けができているのだろう。

 *)サワラ材は、木曽五木のひとつで、ヒノキ科の常緑針葉樹、サワラという言葉には「さっぱりとした」という意味があるそうだ、サワラは、軽軟な材で水湿への耐性が高い。
   

2020年02月15日

エアコンありませんⅡ 

エアコンありませんⅡ  

引き続き ”昨年の夏もエアコン必要なかったね!”の住まいの話題。

最初の住まい手との打ち合わせで、

”広い土間と縁側のある家”を希望され、さらに”古民家のような風情に興味があります…仕事が林業なので、できれば自分で伐採した木材を使用したいと思っています”
 と希望を述べられ、奥様から古材の建具物色リストを拝見し、旦那さんから必要な材はすでに伐採済みだと言われ、準備の良さにビックリした思い出がある。

この辺の経緯は登録しているhouzz(「住む人」と「住まいの専門家」をつなぐ、家づくりのためのプラットフォーム)に載っているので一読していただけるとうれしいです
 ⇒ https://www.houzz.jp/browseReviews/tokinosukigum
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 久しぶり(4年)の自宅訪問だったが、暮らし向きを伺うと、おおむね期待通りで、暮らしやすいとのこと、唯一の悩みは、外壁の一部に劣化が見られるのでどうしようか思案中だと言う。

 まー、こうしてご一緒にお茶を飲めるということは、僕にとってもうれしい限りです。

 吹き抜けのある通り庭(三和土の土間)廻りや居間の佇まいは、昭和初期の民家の風情そのものといおう感覚を受けませんか。

 当時、竣工しても、”これ新築?”と言われたことを思い出した。

竣工時の写真
吹き抜け通り庭
居間
客間

  

2020年02月14日

エアコン必要ありません!  

エアコン必要ありません!  

”昨年の夏もエアコン必要なかったね!”
と、10年前に設計させていただいた静岡市のKさん。
 
 もちろん建設地は市内でなく山に囲まれた場所、とは言っても、住宅地として造成された住宅が立ち並ぶ一角で、10年前に比べても住宅が増えている

 K邸は住まいの真ん中を三和土の土間が、玄関から奥大戸まで貫通している、土間は2階に吹き抜けてもいて、住まいを縦に突き抜けている。
玄関から見る
見返し

 先日、久しぶりに訪れた、暮らしぶりは、この吹き抜け土間を中心に展開せれていることが良くわかる。

薪ストーブの置かれた吹き抜け土間にいると、あちこちから家族が顔を出す、冬はこの薪ストーブで1階から2階まで暮らしに支障のないだけ、十分に温めることが可能だと言う。
 さらに夏もエアコン要らずだ、玄関<と奥大戸を開けておくと、近くの山からの吹き降ろしが、風が気持ちよ駆け抜けてい行く。
 
 体感温度が寒い暑いを決めますが、体感は床や壁などの平均表面温度と室温を足して2で割った値に近いといわれている。
 深さ約1mほどの土中の年中温度は、年間10度~25度の間で変化するといわれていますが、例えば、体感を土間の影響だけとし、土間の表面温度を25度、室温を外気温と同じ32度 と仮定すると、体感温度は28.5度となる、そこに風が駆け抜けると、身体は冷やされ25~26度の体感なのだろうか。

温湿度計
非接触温度計
風速計


 そこでこの夏はdetaをとってみようと思っている、どんな結果が出るか楽しみです。
  

2020年02月04日

人と住まいの幸せの関係を築くⅡ 

人と住まいの幸せの関係を築くⅡ 

 すまい手参加は、人と住まいの幸せの関係を築く本来の家づくりのあり方だと思う、ここで紹介するのは、出来る小さな仕事に参加し、丁寧に、楽しみながら、手の跡が残る、記憶に残る家づくりの記録です。