2015年12月02日
土壁の家 構造見学会開催
土壁の家 構造見学会開催
このほど掛川市内で建設中の「時ノ寿木組みの家」:H邸の構造見学会を企画しました。
見学会の趣旨
持続可能性”という言葉が使われ初めて久しい、しかし、持続可能性のある社会の具体的な姿はと問われても、イメージすら浮かんでこない、少なくとも僕たちが所属する建築界では、その尻尾さえ見えない。
厳密な定義はともかく、”持続可能性のある社会とは=次世代に負担を先送りせず、今の時代を発展させること”と理解すればいいと思っている、そして、この定義は間違っていないだろうと思う。
建築界、ここでは、さらに踏み込んで木造住宅の業界について考えたい。
日本の場合、住宅は大型の耐久消費物扱いだ、だから車と同じく消費マインドをくすぐるために、小さなモデルチェンジをくり返す。
最近はエコとか木の家とか環境に配慮したキャッチコピーが氾濫している、ネコもしゃくしもエコだ木の家だと叫んでいる。
で、その実体はとみれば、コピーがむなしく響く。
木を使うからエコなのではない、いや、木さえ外材(はるばる海を渡ってどこがエコなの?)、或いは集成材(接着剤使っていいの?エネルギーを相当使ってんじゃん)、本当に怪しい。
木造建築は、少なくとも60年前までは、持続可能な技術を持っていた。
現在の在来軸組工法(その歴史は60年ほど)が
=”つくる技術と捨てる技術”という技術観だとすれば
60年前までは=”つくる技術とこわす技術”という技術観を有していた。
”こわす”とは再利用を前提とした技術
”つくる技術と捨てる技術”は資本主義の産物、製造エネルギーをたっぷり使った建材:石膏ボード、合板、ビニールクロス、塩ビ製品などなどを使う、困ったことにこれらの建材は寿命が短く、解体後は地球と同化しない産業廃棄物という名のゴミになる。
構造部材はというと、たとえば、国産材だとしても、木の特性(異方性:扱い非常に難しい)さえ考慮せず、いや考慮すら出来ない仕組みでできあがっていく。
持続性の”じ”の字もない工法、仕組み、技術観と言わざるをえない。
他方”つくる技術とこわす技術”では、古い建築の資材を再利用することはごく自然のことであり、資源循環はさしたる気負いもなく、行われていた。
主要材料は土と木だった、どちらも役目を終われば地球と同化する、ゴミなどになり得ない。
木の扱いもすばらしく、木の特性を熟知し、それにあわせた構法、木組みの技術が建築全体の大きな部分を占めていた。
かつて日本の民芸運動をリードした柳宗悦は
”構造と意匠の一体こそ建築の本質であり、用と強とが美によって統一されていることが、建築から受ける感動の根元だ”
…建築構法の変革 増田一眞 建築資料研究社
と、建築の美の根元を「用即美」で表した、その姿は民家に見られる、民家に足を踏み入れて見上げたとき、小屋組みの力強さに感動を覚えた方も多いのではないか。
「用即美」の根元は「木の特性を熟知し、それにあわせた構法、木組みの技術」にあることは言うまでもないことです。
「時ノ寿木組みの家」:H邸は言うまでもなく「時ノ寿木組みの家」です、木の特性に従った渡り腮構法、貫+土壁の木組み家”、さらに、つくる技術とこわす技術”に立脚した住まいです。
「時ノ寿木組みの家」は掛川の里山を再生し、掛川の風景を守るというミッションから生まれた家づくりです。
「時ノ寿木組みの家」の家造りは資源循環型の社会の仕組みをもった取り組みです、そして、資源循環型の社会こそ、持続可能性のある社会の唯一の姿であると考えます。
見学会 日時 12月5日 午後1:30~午後4:00
12月12日 午前10:00~午後4:00
建設地は住宅地に在るため事前予約とさせていただきます。
連絡先 掛川の風景を創る会
清水國雄
掛川市逆川473-1
電話 0537-27-0576
mail info@shimizu-arc.jp
090-3301-6145
H様には、見学会を快諾していただき深謝九拝。
このほど掛川市内で建設中の「時ノ寿木組みの家」:H邸の構造見学会を企画しました。
見学会の趣旨
持続可能性”という言葉が使われ初めて久しい、しかし、持続可能性のある社会の具体的な姿はと問われても、イメージすら浮かんでこない、少なくとも僕たちが所属する建築界では、その尻尾さえ見えない。
厳密な定義はともかく、”持続可能性のある社会とは=次世代に負担を先送りせず、今の時代を発展させること”と理解すればいいと思っている、そして、この定義は間違っていないだろうと思う。
建築界、ここでは、さらに踏み込んで木造住宅の業界について考えたい。
日本の場合、住宅は大型の耐久消費物扱いだ、だから車と同じく消費マインドをくすぐるために、小さなモデルチェンジをくり返す。
最近はエコとか木の家とか環境に配慮したキャッチコピーが氾濫している、ネコもしゃくしもエコだ木の家だと叫んでいる。
で、その実体はとみれば、コピーがむなしく響く。
木を使うからエコなのではない、いや、木さえ外材(はるばる海を渡ってどこがエコなの?)、或いは集成材(接着剤使っていいの?エネルギーを相当使ってんじゃん)、本当に怪しい。
木造建築は、少なくとも60年前までは、持続可能な技術を持っていた。
現在の在来軸組工法(その歴史は60年ほど)が
=”つくる技術と捨てる技術”という技術観だとすれば
60年前までは=”つくる技術とこわす技術”という技術観を有していた。
”こわす”とは再利用を前提とした技術
”つくる技術と捨てる技術”は資本主義の産物、製造エネルギーをたっぷり使った建材:石膏ボード、合板、ビニールクロス、塩ビ製品などなどを使う、困ったことにこれらの建材は寿命が短く、解体後は地球と同化しない産業廃棄物という名のゴミになる。
構造部材はというと、たとえば、国産材だとしても、木の特性(異方性:扱い非常に難しい)さえ考慮せず、いや考慮すら出来ない仕組みでできあがっていく。
持続性の”じ”の字もない工法、仕組み、技術観と言わざるをえない。
他方”つくる技術とこわす技術”では、古い建築の資材を再利用することはごく自然のことであり、資源循環はさしたる気負いもなく、行われていた。
主要材料は土と木だった、どちらも役目を終われば地球と同化する、ゴミなどになり得ない。
木の扱いもすばらしく、木の特性を熟知し、それにあわせた構法、木組みの技術が建築全体の大きな部分を占めていた。
かつて日本の民芸運動をリードした柳宗悦は
”構造と意匠の一体こそ建築の本質であり、用と強とが美によって統一されていることが、建築から受ける感動の根元だ”
…建築構法の変革 増田一眞 建築資料研究社
と、建築の美の根元を「用即美」で表した、その姿は民家に見られる、民家に足を踏み入れて見上げたとき、小屋組みの力強さに感動を覚えた方も多いのではないか。
「用即美」の根元は「木の特性を熟知し、それにあわせた構法、木組みの技術」にあることは言うまでもないことです。
「時ノ寿木組みの家」:H邸は言うまでもなく「時ノ寿木組みの家」です、木の特性に従った渡り腮構法、貫+土壁の木組み家”、さらに、つくる技術とこわす技術”に立脚した住まいです。
「時ノ寿木組みの家」は掛川の里山を再生し、掛川の風景を守るというミッションから生まれた家づくりです。
「時ノ寿木組みの家」の家造りは資源循環型の社会の仕組みをもった取り組みです、そして、資源循環型の社会こそ、持続可能性のある社会の唯一の姿であると考えます。
見学会 日時 12月5日 午後1:30~午後4:00
12月12日 午前10:00~午後4:00
建設地は住宅地に在るため事前予約とさせていただきます。
連絡先 掛川の風景を創る会
清水國雄
掛川市逆川473-1
電話 0537-27-0576
mail info@shimizu-arc.jp
090-3301-6145
H様には、見学会を快諾していただき深謝九拝。