2013年01月05日
新しい年に思う アジア・ダイナミズム:その1

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案。
新しい年に思う アジア・ダイナミズム:その1
アジア・ダイナミズムとは激動するアジア経済の動きを捉えた表現だが、実際、世界経済の成長エンジンはアジアにシフトしつつあり、世界の目はアジアに注がれる。
2011年現在、世界のGDPに占めるアジアの割合は27%程度だが、近い将来(2030年代)、世界の半分をアジアが占めるだろうと言われている。
沸騰するアジアと停滞する日本
「200年ほど前の19世紀初め頃、中国(清)は世界のGDPの4割近くを占め、インドを含めると世界の総生産の半分近くをアジアが占めていた。」と久保孝雄(くぼたかお)(特非)参加型システム研究所理事長は言う。
2030年代に世界のGDPの半分をアジアが占めるとすれば、200年ぶりのアジア・ルネッサンスである。
それでは、この20年ほどの日本の貿易相手国のシェアがどう変化したかをを見てみよう。
1990年当時の貿易相手国のTOPは至極当然かもしれないが、米国で27.4%、続いて欧州で17.0%、アジアは全体で30%(そのうち中国は3.5%)という内訳だったが。
が、20年後の2011年には、それぞれ11.7%、10.5%、50.2%と大きく変化した。
2011年には貿易相手国としてのアジアのシェアは50%を超え、米国のシェアは右肩下がりを続け、20%を切り12.7%まで低下した。
日本総合研究所理事長の寺島氏によれば、中国・香港・台湾・シンガポールの大中華圏貿易は、昨年30%を超え、20年前に比べると2倍の伸びを示しているという。
一方日本経済はと目を転ずれば、円高と外需の低迷は輸出を圧迫し、内需は消費の低迷がデフレに拍車を掛けている。
そして、2011年に貿易収支は、実に1963年以来の赤字に転じたとアナウンスされた。
決められない政治、既得権の甘い汁に群がる官僚・団体、税金で延命を図る企業。

図:出展JBプレス 英エコノミスト誌 2012年1月14日号
少子化等が労働人口(経済の潜在成長率の指標のひとつ)の減少を引き起こし、このまま少子化が推移すれば、1930年には従属人口(労働しない人口)が労働人口の70%に達する共言われている。
まさに「沸騰するアジアと停滞する日本」の姿がそこにある。
戦略的互恵関係
日本はアジア・ダイナミズムにどう向き合うのだろうか、日本はアジアとは歴史上、負の遺産が横たわり、今も決着に至っていない、実際、昨年の尖閣列島や竹島の領有権に端を発する中国の暴動や韓国との軋轢は、一時的なモノでなく今後もことある事に噴出するだろう。
日本政府は解決済みの立場だが、いつか事を構わざるを得ない時がくるだろう、その時、武力を背景にした対決か、戦略的な構想力を背景にした、したたかな外交力によるのかはわからないが。
日本経済を長期的に見れば、先の貿易相手国のシェアでもわかるように、中国や韓国と互恵関係にあり、安易な対立は互いに損失を招くだろう。
弱腰と非難され、毅然な態度で罵倒されるかもしれないが、やはり、戦略的な構想力を持って、互恵関係を構築することがアジア・ダイナミズムと向き合う大切な視点だと思う。
親日と言われるインドネシアですら、占領者の日本に苦しめられたという記述はあれ、解放者という記述はどこにもない。 という現実に目を向けなければならない。
次回はここから無理矢理に建築界、話題を移します、ご期待ください\(^_^=^_^)/ ヨロシク♪
■・新しい年に思う アジア・ダイナミズム:その2
・技術立国日本
・現代に通じる知恵の集積…伝統を活かす
Posted by pasarela at 12:08│Comments(0)
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