2021年11月23日

Q&A6.では「渡り腮構法」の特徴を教えてください。

Q&A6.では「渡り腮構法」の特徴を教えてください。    

一片飛び来れば 一片の寒 (*1)

季節は小雪、しだいに冬が深まりつつある。
札幌では19日に初雪が降ったようだ。
ここ遠州でも、今日は冬の訪れを告げるは木枯らしがヒューヒューと吹いている。

ヨシコ
”「木枯らし」は「凩」とも書くけど、「凩」は「木嵐」(*2)が語源ですって!”
クニオ
”「凩」より「木枯らし」の方が、冷たい北風のイメージがするんだけど。 ・*・:≡( ε:)  木の派を吹き飛ばす北風って感じ”
ヨシコ
”そうね  「木枯らし」から、幹と枝だけの冬木立が浮かぶわね サムィサムィ(((p'д'q)))プルプル  寒む!”


木枯に 岩吹とがる 杉間かな  
鳳来寺に参詣して「笈日記」  松尾芭蕉 


”さーてと   そろそろ「渡り腮構法」の特徴を教えていただきましょうか”  
クニオ
「時ノ寿木組みの家」では、木組みを隠さず、むしろ意識して見せる設計姿勢を取っています”
ヨシコ
”見せるとは?”
クニオ
”そうだなー しいて言えば天衣無縫かな”
ヨシコ
”天衣無縫?”
クニオ
”木の特性に従えば、変な技巧を施さなくても、そのまま完成された木組みになる”
ヨシコ
”?”
Q&A6.では「渡り腮構法」の特徴を教えてください。

クニオ
”例えば木構造家の山辺豊彦氏(*3)は「伝統型の軸組構法が重要なことは、軸組を整理し合理性のある架構体をつくること…架構を意識しつつ意匠性にも配慮する…」(*4)と言っています”
ヨシコ
”要するに美しい木組みにするってことね”
クニオ
”オーオー!一本や取られましたね”
”美学者の柳宗悦氏(*5)は、機能と美しさ兼ね備えた日本の民芸の健全性、力強さを「用即美」と表現しましたが、建築に於いては「構造即意匠」とい言います”
ヨシコ
”構造即意匠ね、人もそうだね、内面が充実していて力強い人は、外形も美しいモノね”
クニオ
”そうかもね、力強さと美しは別のものではないということです。
 木の特性に従い、合理的に整理された木組みは、丈夫で美しく、健全な構造体です、「渡り腮構法」でつくる住まいはそうありたいと思っています”
ヨシコ
”木組み愛を感じます”


(*1)唐の詩人・戴叔倫の「小雪」と題する詩の一節
(*2)嵐は「荒らし」、「し」は風を意味する古語で荒い風という意味
               美人の日本語 山下景子  幻冬舎文庫  
(*3) 山辺豊彦 山辺構造設計事務所所長 (一社)住宅医協会理事長、全国の大工、設計者を中心とした勉強会を主宰 著書多数 
(*4) 渡り腮構法のつくり方 P100  (株)建築技術
(*5) 柳宗悦 民藝運動を起こした思想家、美学者、宗教哲学者。

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