2018年11月11日

腰掛け鎌継手の補強

 日本の木造建築は木造軸組構法と呼ばれ、柱や梁といった実に多くの部材から構成されるが、構成材は木材なので、接合部が発生せざるを得ない。
 材を長さ方向に延ばして行く接合を継手と呼び、ある角度を持って二つ以上の材を接合する方法を仕口呼んでいる。

 今回はそのうち継手に付いてのお話し。

 継手の種類は多様だが、基本的な継手に腰入り鎌掛け鎌継ぎ手がある、土台などに使われる継手だが、経年変化により継ぎ手にゆるみが生じやすい継ぎ手でもあるため、金物併用が基本の継手でもある。

 今の現場の大工さんは、この腰掛け継ぎ手に下図のように、角ビットと呼ばれる四角穴タイプのビスを鎌に打ち込んでゆるみの進行を押さえている。
 腰掛け鎌継手の補強

 鎌継ぎの問題点は、経年変化により、部材の収縮でかみ合わせにゆるみが生じること、だから金物が必須だが、どの位置に金物で補強すれば効果的なのだろうと疑問を持ち実験した結果が下図だ。
腰掛け鎌継手の補強
これは、込み栓を横から打ち込んで耐力の変化と破壊形状を観察したもの、下が補強無し、上が込み栓で補強した結果だ。

腰掛け鎌継手の補強
荷重変形曲線、上が補強無し、下が補強あり。
 
 荷重変形曲線からも耐力の向上は明らか、この結果から金物で補強するなら、腰鎌のサイドから打ち込んだ方が効果的だろう。



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