2013年01月22日

木は燃えるから弱い」?  

NPO法人時ノ寿の森クラブと協働した山から始まる家づくりの提案。

木は燃えるから弱い」?   

 ・木は燃えるか…燃える。
 ・木は燃えやすいか…と問えば、木と他の材料との比較になるから、比較する材料により燃えやすいか燃えにくいか決まる、すこぶる相対的な問いとなる。

 紙より燃えにくいし、コンクリートよりは燃えやすい。
木、コンクリート、鉄、アルミは建築の主要材料だが、どれも火炎にあって物理的性質を失わない材料はない。
 例えば、コンクリートは燃えないが、脆くなり強度を失う、鉄は曲り同じく強度を失う、アルミは溶けてしまう。

建物の防火性能 

建築基準法では、火災に対する強さ(燃えにくい)の度合いで、防火構造→準耐火構造→耐火構造と、建物の用途や規模に応じた防火性能を要求している。
 2階建ての住宅だと要求される性能は防火構造とよばれる性能で、*1)30分の非損傷性と遮熱性を要求される。

 では防火性能が高いとはどういう事だろうか。性能を担保する要素として、下記の4点が上げられる

1)着火防止性能……材料を不燃化する、厚くする
2)発煙・発熱抑制性能……材料を不燃化する、厚くする
3)延焼防止性能……構造を不燃化する、区画する。
4)構造性能……構造体を被覆する。

 一般的には、燃えやすいと思われている木造でも、1)の着火防止性能に着目すると、他の材料では見られない木の性能に驚く。
 木材は火炎にあぶられ加熱を受け、約270℃に達すると着火する、燃えると表面に炭化層ができる、この炭化層は酸素の供給を絶ち、熱や火炎を遮断する作用をする。
 木材に十分な厚さがあったり、部材断面が大きい、四方から加熱を受けなければ簡単に内部には燃え広がらない。

 木材が燃え進むスピードは
断面の大きい柱や梁で、0.6mm~0.8mm、板材(12mm~30mm)では0.8mm~1.0mmと言われている。
 例えば外壁に30mmの木材を使用した時、燃え尽きるまでに30mm/0.8mmで37分程度かかる計算になる。
このことから、十分い厚い材を使用し、延焼の弱点となる取り合い部の隙間をしっかり目止めできれば、外壁に木のを使用した防火構造も可能となる。

「木は燃えるから弱い」か?、確かに木は燃えやすいが、確かな対策を取れば、「木は燃え抜けにくく、容易に室内へ延焼しない広がりにくく、非損傷性と遮炎性能を確保できる」



木は燃えるから弱い」?  
図は板倉構造の火炎実験加熱30分後の表面温度の違い
、外壁に板があるかないかでこんなにも違うのかと驚く。
 
住宅医スクール:第8回 第一講義「防火性能の改善と対策」
         安井昇桜設計集団一級建築士事務所代表氏の講義より。

 *1)30分は短いように感じられるが、住宅の構造体として大切なことは、火災が起こったときに避難する時間をつくること、消防車などによる消火作業が本格化するまでの消火時間を稼ぎ、類炎を防ぐことになる。



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