座敷が接客空間だったころの上質な天井 

pasarela

2021年04月30日 20:39

座敷が接客空間だったころの上質な天井    

 「家」で成人式、結婚式、年忌法要等が行われていた時代、座敷はそれら「ハレ」や「ケ」のための重要な接客空間であり、住まいにとって表の領域だった。

  座敷は家人以外の他人が出入りする場所なので、他人の目を意識した室礼や細部にわたって上質な仕事が求められた、そんな仕上げに竿縁天井がある。


 今回、紹介する座敷は、RC造の既存衣裳部屋の改修でリニューアルした9畳の前室付の広間、天井は竿縁天井で設えた。
 竿縁天井は全く久しぶりなので、竿縁天井が仕上げるまで、天井板の選定から、加工、施工の工程を紹介したいと思います。


①天井板の選定
  大工さん下小屋にストックしてあった杉板が、中板目(*1)の上、板目の流れに勢 いがあり即決定。
②加工された杉板


③輪返しと刃口が仕上げられた状態   ④鉋で板を削り羽しゃくりをつくる


⑤ 稲子釘を取り付ける ⑥板の重なりの部分に隙間ができないように稲子を差し込んで2枚の板を結ぶ。


⑦天井一部完成 ⑧天井板の2枚の重ねの隙間を松葉と呼んでいる、その表現力に脱帽 (o-´ω`-)ウムウム

ちなみに壁は色土で仕上げます。

*1)板の中央に板目があり、両側に柾目が通った板材、そのうち、板目が元から末まで   通った板材を中杢と言って高級材として取引きされる。


関連記事