構造のクライテリア(設計基準))
構造のクライテリア(設計基準))
阪神淡路大震災の発生から25年経過し、東日本大震災から9年経過しました、当時の記憶や教訓をどう生かすか我々に問いかけています。
私事で恐縮ですが、阪神淡路大震災が発生してから、ただちに静岡県に応急危険度判定士派遣の要請があり、僕も参加しました。
被災地を周り倒壊した建物や高速道路を目の当たりにして、技術立国日本の惨状を実感したことを今でも鮮明に覚えています。
特に木造住宅では、柱の引きぬけと、耐力要素である筋違い不足や接合部の不良による倒壊・半壊などの被害が多かった、どれも柱や筋違いに集中的に多大な力が作用した結果でした。
それを機会に、在来軸組工法に疑問を持ち、伝統的な構法の技術観に関心を持ち勉強会などに参加して、その有用性を確信しました。
伝統的な構法は、耐震と免振と制振の技術観を備え、地震に際しては揺れるが倒壊せずに人間の生存空間を確保するというものでした。
また最近、ストレスに対処する力としてレジリエンスが注目を集めているます、レジリエンスが高いとストレスに対して回復力する能力に長けているといわれていかます、伝統的な構法により建てられた建物はレジリエンス:回復力に優ています。
外的な衝撃にも、ぽきっと折れることなく、立ち直ることのできる「しなやかな強さ」を備えていると言っていいと思います。
木で創る以上、木の特性に従った技術で組み立てる構法であるべきと思い、以来、貫と土壁、渡り腮(わたりあご)構法の木組みの家をせっせと設計してきました。
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