2017年02月19日

ISRU:現地の資源を使って住まいをつくる 

 ISRU:現地の資源を使って住まいをつくる 

 ツアーイベント「山から始まる家づくり」を、”掛川の風景を創る会”の仲間と企画した、なぜ”山から始まる家づくり”なのか、皆さんには、その意図を聞いてほしい。

”宇宙開発の分野で使われてきた用語に「ISRU(In-Situ Resource Utilization)」というものがあるそうだ、ISRUとは、”現地の資源を使って建築(宇宙ではシェルター)をつくっる”という考え方だ。
 つまり、”その場の資源を有効活用する”ということであるらしい。

 宇宙でシェルターをつくる進化の過程を見ると。
”「完全輸送型(事前統合型)」→「輸送補完型(組み立て式)」→「現場調達型=ISRU(現地製造方式)」と高度化し、構法の進化が見られる。”

 
「現地調達型」では、例えば、火星なら火星の土を使ってシェルターをつくることになるので、技術的には最も困難なレベルに当たるそうだ。

 翻って、我ら人類の建築(シェルター)の建設プロセスを見ると、現場製造→ノックダウン・組み立て方式→箱をつくり持ち込む。……僕らはそう教えられてきたし、それが進化・高度化と信じていたので、宇宙の先端科学分野では、全く逆のアプローチであることに驚く。

”掛川の風景を創る会”の活動指針は
 ”掛川の風景を創る会”は、掛川の風景を守り・育てるというミッションから生まれ、同じ目標を共有する、設計者+職人からなる家づくりの会。
私たちは、住まいを最も環境負荷の低い方法でつくることにより、健康的で時間と共に価値が増していく住まいを
提案したいと思っている。

 下線部を体現する為に、自然素材である土や無垢の木にこだわってつくっている、これをもって、我が意を得たりと地元の資源を使って家づくりをしようと言うつもりはない、それでは単にアナクロニズムになってしまう。

 しかし、一方、アナクロニズムに陥ることなく、その土地固有の資源や材料を使い、その資源や材料の特性に従った作り方、そこに、現代的な息吹やスパイスを吹き込み融合した、そんな作り方が出来ればいいなとの思いから企画した。

 ISRUという作り方は、「合理的に効率よく」という現代住宅生産の思想からは真逆に位置する、手間を惜しまず、材料の特性上必要とする時間をかけ、施主自ら能動的に働きかけ・建設のプロセスに参加し、施主と作り手が対等の関係でつくる……過程を楽しむ事に慣れないとストレス溜まる作り方だと考える、が……どうだろうか。

“  ” 部分の出典 2025年の建築七つの予言」 村松秀一 HEAD研究会フロンテイアTF  日経BP




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